粉粒体の密充填カサ密度を測定する弊社の製品（タップ式密充填カサ密度測定機）では、１本掛けだけでなく、複数の本数のサンプルを同時に測定することも可能です。同時に３本（３本掛け）で行った場合、サンプルの挿入位置によってどの程度の測定値のバラつきがあるのか？が気になるところかもしれません。

弊社のエンドユーザー様にご協力を頂き、参考データとしてまとめましたのでご紹介いたします。

TPM-3Aによる同時3本掛けの密充填カサ密度測定

今回、測定データを提供して頂いたエンドユーザー様では化粧品を製造されています。同時に3本掛けが可能な弊社製品TPM-3A（タップ式密充填カサ密度測定機）を用いて、サンプルとして2種類の「化粧品バルク」を使用しました。なお、化粧品の業界における「化粧品バルク」とは、販売する際に使用される「容器に小分けされる直前の中身」のことのようで、我々消費者が使用する化粧品の最終製品と考えて良さそうです。

サンプルをTPM-3A（タップ式密充填カサ密度測定機）の3本のメスシリンダーに挿入し、タッピングを300回実施した際のサンプル挿入位置（①・②・③）の違いによる測定値のバラつきを確認してみましょう。

なお、サンプルとして２種類の化粧品バルクを使用されています。ここではサンプルAとサンプルBとし、サンプルAは明るめのブラウン色で、やや粒感があり、サンプルBは白ピンク色で、粒感は弱めとのことです。ちなみに、サンプルを手で触った時のザラつき感の境界線が10μm（粒子径）と言われているので、サンプルAとサンプルBともに粒子径は10μm程度と考えられるかもしれません。

同時3本掛けでの化粧品の密充填カサ密度値

弊社製品TPM-3A（タップ式密充填カサ密度測定機）の異なるサンプル挿入位置（①・②・③）に、それぞれのサンプルを装入します。この際、挿入したそれぞれのサンプル量（Wm）は上図の通りです。タッピングを300回実施した後に体積計であるメスシリンダーのメモリを読み取り、タッピング後の体積（Vm）とし、こちらも上図の通りです。これらの測定値から密充填カサ密度（Wm/Vm）を算出しています。

サンプルＡの密充填カサ密度（Wm/Vm）は、挿入位置①0.76 g/mL、②0.76 g/mL、③0.76 g/mLという算出結果が得られました。また、サンプルＢの密充填カサ密度（Wm/Vm）は挿入位置①0.60g/mL、②0.61 g/mL、③0.60 g/mLという算出結果が得られました。

これらの結果からは、弊社製品TPM-3A（タップ式密充填カサ密度測定機）の異なる挿入位置による測定値の誤差は小さいと言えそうです。

なお、ご存じの通り「粉は魔物」とも呼ばれているように、サンプルによって測定データが異なる場合が生じます。今回の測定結果は参考データであり、製品の性能を保証するものではないことを予めご了解ください。

謝辞

測定データをご提供いただきましたエンドユーザー様【1161-5】に改めて感謝申し上げます。