【基礎知識】混合装置の分類と流動性との関係

粉粒体は液体や気体とは違い「自己拡散性」を持たないため「放置していたら勝手に混ざっていた!」なんてことは起こりません。このため粉粒体を混合するためには何かしらの働きかけが必要となるのでしょう。ここでは混合装置について、参考文献をもとに改めて整理してみました。

「混合」という操作

「混合」という操作
混合装置の分類に入る前に、そもそも「混合」という操作はどういうことなのでしょう。参考文献によると、混合の操作について、下記のように書かれています。

混合の操作とは
物性の異なる数種の集合体に運動(旋回・転動・流動化・重力流・ロッキングモーションなど)を与えて均質な集合体を作ること

改めて文章で表現すると難しく感じてしまいますね。参考文献のような専門書は、学術的なものが多く、普段、使わないような言葉の使い方がされていますが、混合という操作については、一般的に理解されている内容と大きく違いはなさそうです。平たく言うと、粉粒体に何かしらの外力を与えて均質な粉粒体にしようということでしょう(まだちょっと学術的表現に引っ張られている感はありますが・・・)。

そう言えば「偏析」という現象がありました。容器の中の粉粒体に振動や衝撃を加えると粒子の移動速度の違いにより「偏析」という粒子の大きさや形状などが偏った状態になるという現象です。「偏析」は外からの力で偏り、「混合」は外からの力で均質になる、粉粒体への力の加え方でまったく逆の状態になるというのは興味深いですね。

【基礎知識】偏析(へんせき)という現象

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混合装置の分類

混合装置の分類
粉粒体を混合するための装置はたくさんの種類がありますが、「混合の機構」と「装置の構造」という2つの視点で分類すると理解しやすそうです。

混合の主な3種類の機構

異なる数種類の粉粒体が均質な集合体となるためには、粉粒体にどのような作用が及ぼされているのでしょう。主な3つの混合の機構として「移動混合(対流混合)」、「せん断混合」、「拡散混合」が挙げられるようです。

主な3つの混合の機構
移動混合(対流混合):混合機内の粉粒体群の大きな移動の繰り返しによる混合
せん断混合:粉粒体内の速度分布の差によって生じる粒子相互のすべりなどによる混合
拡散混合:近接した粉粒体相互の位置交換による局所的・拡散的な混合

弊社のV形混合機の場合で考えると「移動混合(対流混合)」と「拡散混合」の作用機構により、均質な粉粒体を得ようとしている製品と言えるのでしょう。

装置の主な3種類の構造

混合装置を「装置の構造」という視点で分類すると、「容器回転型」、「容器固定型」、「流体移動型」が主な3種類として挙げられるようです。

主な3つの装置の構造
容器回転型:粉粒体が入る容器自体が回転・振動・揺動する
容器固定型:粉粒体が入る容器自体は固定され、容器内に入れられた羽根等が回転する
流体移動型:粉粒体の入る容器内の気流または重力等を利用する

弊社のV形混合機の場合で考えると、V形状の缶体を架台に取り付けた「容器回転型」によって、均質な粉粒体を得ようとしている製品と言えるのでしょう。

【関連資料】V形混合機:VM-2・VM-5・超ミクロ

大きな工場など製造プラントにおいて「混合」という工程は、粉粒体を扱う多くの業種にとって不可欠な工程と言えるでしょう。そのような大きな工場では、仕込み量「1,000 L」を目安に、それ以上を大容量、それ以下を小容量と呼ばれることがあります。そ…

流動性と混合時間の関係

流動性と混合時間の関係
参考文献には、他にも混合にまつわる興味深い内容が書かれています。粉粒体の流動性が大きいと、混合に要する時間も短く済むのでしょうか。粉粒体という表現はともかく、「粉」は生活の様々な場面でも多く触れる機会があるものです。こうした経験から流動性が良いほど短時間で混ぜることができそうな感覚がありますが、このことを数値データとして提供してくれています。

正確な数値データは文献等をご確認いただくとして、イメージ図として、横軸に流動性指数、縦軸に混合速度係数を用いて上の図に表してみました。ちなみに、流動性指数は数値が大きくなればなるほど流動性が大きくなり、同様に混合速度係数も数値が大きくなればなるほど混合速度が大きくなると考えて良さそうです。イメージ図から、流動性指数が大きい、つまり流動性が大きくなればなるほど、混合速度係数つまり混合速度が大きくなっています。このことから「流動性が大きい粉粒体ほど混合時間が短い」傾向にあると言えるのでしょう。逆の言い方をすれば、混合時間を短くしたいのであれば、流動性の大きい粉粒体を用いると良いということになるかもしれません。

【基礎知識】流動性に関連する5つの測定

流動性に関連する測定と目安値 粉粒体の流れやすさを数値で理解する方法として「Caarの流動性指数」がよく知られています。1965年にR.L.Carr(カー)氏が提唱し、粉粒体の排出時の流れやすさを表した指数で、英語ではFlowability…

参考文献

書籍「入門 粉体トラブル工学」坂下 攝 著
書籍「入門 粒子・粉体工学」椿 淳一郎 著

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