【技術資料】活性炭の主な物性試験と吸着試験

活性炭の等級を決める充填密度

表題:活性炭の主な物性試験と吸着試験
概要:活性炭の物性と吸着の試験方法について、書籍「活性炭ハンドブック」を参考に整理してみました。なお、活性炭に関する主な関係機関または試験方法として下記が挙げられるようです。
・ASTM(米国材料試験協会)
・AWWA(米国水道協会)
・ISO(国際標準化機構)
・DIN(ドイツ規格協会)
・JIS(日本産業規格) JIS K 1474「活性炭試験方法」
キーワード:活性炭・物性試験・吸着試験

活性炭の主な物性試験


書籍「活性炭ハンドブック」によると、物性試験として11種類の項目が紹介されています。密度に関しては、充填密度(1)、見掛け密度(2)、真密度(3)の3種類が主な物性試験項目として挙げられています。

主に活性炭の等級を決めるために用いられる充填密度(1)の測定は、JIS規格の「活性炭試験方法(JIS K 1474)」にも詳細が言及されています。また流通方法を決めるために用いられる見掛け密度(2)はピクノメーターを使用して測定されることが多いようです。真密度(3)は再現性の問題もあり、あまり通常は行われていないようです。

3種類の密度の他の項目として、粒子径(4)、機械強度(5)の試験項目は広く一般的に行われているようです。また上記の他にも、物性試験としては、水分(6)、灰分(7)、pH値(8)、発火点(9)、自己発火性(10)、水溶性成分含量(11)が紹介されています。

活性炭の主な吸着試験

活性炭の主な吸着試験
物性試験と同様に活性炭の試験として重要なのが、吸着試験でしょう。これにより活性炭の吸着特性をキャラクタリゼーションの検討に用いられるようです。

活性炭の主な吸着試験として、下記の試験項目が紹介されています。
四塩化炭素吸着、ベンゼン吸着、ヨウ素吸着、メチレンブルー吸着、フェノール吸着、ブタン吸着、フェナゾン吸着、糖液脱色。

たとえば飲料水の処理に使用される活性炭の吸着特性に関する試験では、フェノール吸着による試験方法がAWWA(米国水道協会)の規格に紹介されているようです。このように活性炭の使用用途によって様々な吸着試験方法があるようです。

参考文献

書籍「活性炭ハンドブック(原書 Activated Carbon )」林 昌彦・川下 由加 訳

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